今年の展示のブログは今年のうちにって思いつつも筆が進まず。苦笑。

やりきった感が半端なく、
終了と同時に綺麗さっぱりと
遥か彼方に思いが飛んで行ってしまったような感覚です。

とはいえ、ちゃんと書かないとねーということで簡単に。

11/28-12/3まで開催しておりました
3年2組(仮)第1回文化祭「明るく楽しい写真展」、
無事に終了しました。

今年は展示への参加が少なく、
その中で所属ユニットで企画、運営をしたこの展示が
私の中ではメインイベントでしたかねー。

昨年にユニットを結成し、
お互いを意識しながらもゆる〜く活動をして来たわけですが
今年は1周年を迎えたということで
ある意味ケジメとして良いのでは、と
開催を危ぶまれながらも
(詳しくは3年2組(仮)ブログで→https://ameblo.jp/3nen2kumikari/entry-12272095551.html
無事に開催できたのは良かったです。

さて、今回の私の作品はピンホールカメラによる
「いかなる時も3秒」でした。

ピンホールカメラ、ピンホール写真と聞いたことはあっても
実際にそのカメラを見たり、写真を見たりしたことのある方は
意外と少ないのではないでしょうか。

私ももちろんその存在は知っていましたが
実物を見たことはありませんでした。

初めて直にピンホール写真を見たのは、
2014年の10月。
近所の今はもうない本屋さん内のギャラリーでした。
その方は確かデジタル一眼で
穴を開けたレンズのキャップを使って
撮っていると言っていたと思います。
フィンランドの森や湖の写真でしたが
ぼんやりしながらも奥行きのある、
現実と幻の間のような風情が印象的でした。

いつか自分でもやってみたいなー、と思いつつ数年。
今年の春に東京都写真美術館に行った時、
ミュージアムショップで組み立てキットを発見!!
印画紙を使わなくても35mmフィルムで撮れるよ!!
ということで、迷わず購入。

今回の展示でピンホール写真を展示したのは、
自分の撮った写真を見せびらかしたいのもありますが、
テーマが「明るく楽しい写真展」であり、
写真は撮るのも見るのも楽しい、との思いを
伝えるにも良いのではないかしら、と
考えたからです。

しかしただ「撮りました。意外と良く撮れてるでしょ、すごいよねー。」で
終わらせたら意味はありません。
どんな意味をもたせたかは、
後述するステートメントを読んでいただくとして、
まずは作品風景をご紹介しましょう。

実は展示風景、これしか撮ってなかった。しかも設営直後で水引がそのまま 笑。

1回文化祭f
ということで、先ほど我が家で一作品だけそれっぽく撮りました^^;
木製パネルを自分で加工し、ピンホールカメラをイメージした額装です。
1回文化祭2
実際に使用したピンホールカメラも展示
1回文化祭3
全作品データは以下となります。クリックすると若干大きめの画像が表示されます。
静かなる我が家と通勤時などの動を追っています。
001 002 003
004 006 005

たくさんの感想をいただきましたが、
初めて見るピンホールカメラ、撮り方、
写り方、展示方法について良いご意見で占められていました。
自分でも、写真の原点とも言えるピンホールを
どのようにしたら私らしくなるか、また楽しんでいただけるかを練り、
表現できたと一つの悔いもありませんでした。

友人の宮井結美氏が後で次のような感想を寄せてくれて
まさに今回この通りだったなー、と感じています。ありがとう!!
「まみさんの作品は、最初の閃きと、
それを作品化するアイデアと、仕上がったもののクオリティーが一直線で
だから見ててスッキリするのだなぁと思ったです!」
(勝手に引用すみません!)

今後、このシリーズを続けていくかは今のところ決めてはいません。
自分がピンホールカメラを使ったからと言って
これを機に普及させようとも実は思ってはいないのですが、
一度はやってみると面白いと思うので
都写美に行ったらミュージアムショップで
キットを探してみてください。

ご来場いただいたみなさま、お気にかけてくださったみなさま、
Rooneeさん、3年2組(仮)の仲間たち。
良い展示は展示者のみならず、
関わりをもってくださったみなさんで作られていくのだなぁと
あらためて感じた1週間でした。

それでは、最後にステートメントを載せて今年の締めくくりとしたいと思います。
みなさま、良いお年を!!
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この春、私は自分で組み立てるピンホールカメラのキットを手に入れた。
プリントが上がってきたとき、本当に撮れてる!と、それはそれはうれしく、
ハイテンションで毎日持ち歩いて撮りまくっていた。

しかし、ふと考えた。「これは私の写真と言えるのだろうか?」

私の撮りたい情景を写し出すためには、デジタルカメラにしろフィルムカメラにしろ
その協力は不可欠だ。ファインダーを覗き、各種設定を自分で操作することで、
いくら機械の力を借りているとはいえ、自分の写真だと胸を張って言える。

だが、ファインダーも覗かず設定は露光時間のみというピンホール写真は、
私がピンホールカメラに協力して撮っている、ピンホールカメラの写真なのでは?
という思いが頭をかすめた。

これを「私の写真」に近づけるためにはどうしたらいいんだろう。と、何気なくシャッターの部分を
開けたり閉めたりしていて「瞬きしているみたいだな・・・
人って瞬きをどのくらいの頻度でやっているんだろう」。
そこから、おおよそ3秒に1度瞬きをしていると知り、
逆を返せば3秒は目を開いているという事だなと。
であれば、いかなる条件下であっても目を開けている3秒を露光するようにしよう、
そして手持ちで身の回りを撮ろう、と決めたのだった。

できあがってきた3秒の写真は、自分が普段見ているそのままの景色もあるが、
こんな風になんか見えていないぞ、というものもあって愉快な気持ちになる。
特に動きのあるものは「目」というパーツがとても優秀な仕事をしていることがわかる。

結果的には「私がピンホールカメラに協力して撮っていた」ことに
何ら変わりはないのかもしれない。
しかし、これまで見てきた世界が唯一の「解」というわけではなさそうである。

2017年11月 「いかなる時も3秒」さかいまみ
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