超、今さらですが7月29日(水)~8月9日(日)に開催されました
「Portrait Exhibition Tokyo 2015」無事に終了いたしました。

お越し頂いたみなさま、気にかけてくださったみなさま
ありがとうございました。

今回は、いつかはやりたいと思っていた六条御息所をテーマにした作品でした。
本来、このグループ展は「ポートレートをもっと身近に」というテーマだったので
そのテーマからは外れてしまっているかもしれません。
私のことかどうかはわかりませんが
「ちょっとなんか違うテイストの作品も何点かあるけど・・・」と
とある出展者様が言っておられるのを耳にしましたし 笑。

しかし、私にとってみれば短歌や好きな小説のことを考えているのは日常茶飯事で
それを題材にセルフポートレイトを撮るというのは
他の誰かを撮るよりもずっとずっと身近なことなのです。

一般的に連想される「身近なポートレイト」とは違うかもしれませんが
私にとってはとても自然なことでした。

ということで、今回の作品の展示の様子とステートメントは以下となります。
portraitexib

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

源氏物語に出てくる六条御息所は源氏恋しさのあまり、源氏が心を移した夕顔の君や正室の葵の上を生霊となって取り殺してしまうというような描写があります。

身分や気位の高さから源氏本人に面と向かって、激しい
嫉妬心をむき出しにすることはありませんでしたが、
想いが大きく深ければ、それゆえの苦悩も大きかったと思います。

これまで私自身は「愛することの素晴らしさ」に焦点をあわせることがほとんどでしたが、
ここ最近、その裏の気持ちを認めないことは片手落ちのように思えてきました。
それはかつて六条御息所同様、年下の恋人を持ち、常に大人としての振る舞いをしなければと、
うまく甘えられず自分で自分を縛っていた「私」に対する決着なのかもしれません。

そしてまた大好きな日本画家上村松園の描いた六条御息所「焔」へのオマージュでもあります。松園の
描いた六条はこの世には生きてはいない『幽霊』と見紛う風情ですが、
「私」は強い想いの魂が抜けていこうとも、それでもたしかにここに存在し『源氏』への愛を訴える
「焔」を表現しました。