1月22日(日)まで開催されておりました
「アイカワラズ展」が無事に終了いたしました。
お越し頂いた皆さま、お気にかけて頂いた皆さま
ありがとうございました。
たくさんの方に感想カードも書いていただいて
とてもうれしかったです。
展示全体としては、写真歴も展示歴も様々な私たちでしたが
スナップ写真の面白さが目を引いたのではないかな、と思います。
特に構図や背景などを抜きにして
ダイレクトに今を撮りたいという感情の強さが
伝わってきていたかと。
これは展示期間中に設置していたBookにも書きましたが
写ルンですで1日1枚撮るというのが
課題だったためということがあります。
講師の熊谷直子さんが講座中、常々口にしていらしたのは
-この期間は写真漬けになって欲しい。
-とにかく撮る。撮れなくても撮る。
-撮ることでしか見えてこない。
でした。
今になってみると、てんでバラバラな私たちが
同じように写真に取り組むためには
写ルンですという1つの共通項を持つことが
とても大事なことだったと思えて来ます。
撮ること、考えること、気づき、
そして感動もがっかりも
修了生全員がそれぞれのアプローチで表現できたことが
とても素敵なことだと思っています。
今回、ご指導いただいた熊谷直子さん、
ナダールの林さん、早苗さん、
そして一緒に学んだクラスメートたちに出会えたことに感謝いたします。
最後に展示風景とBookの最後に記した文章で
この展示を締めくくりたいと思います。
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ある時「写真は記録だ。表現だなんていう人間は信用できない。」という
つぶやきを見た。そうなのか? 言葉のあやかもしれないが、
表現とは今を表すということだ。たとえ記録であっても
その瞬間を選んだ感性自体は「表現」といえるのではないだろうか。
そんなことを考えていた時に「女性のための写真表現講座」で
熊谷直子さんが講師をされるという。
熊谷さんの写真はすごくパワフルで瞬間瞬間をズバズバと
切り取って行くようなそんな印象だった。
「記録」と「表現」何かヒントが得られるかもしれないと参加を希望したのだった。
講座では1日1枚写真を撮ることが課題で、
授業に行くと1人1人に写ルンですが手渡された。
撮ることを忘れないよう私は朝目覚めた時すぐにシャッターを押すことを決めた。
写ルンですだからピントが合っているかどうかはプリントするまでわからない。
早朝夜明け前だと暗くてほとんど何も写っていないことさえあった。
しかし楽しくて仕方がなかったのである。
その瞬間を記録しているにすぎないかもしれないが、
朝起きるのが楽しみになった。
起きた時だけでなく朝の光を観察するようになった。
光の加減、カーテンの模様の影。脱ぎっぱなしの洋服も、
寝る前に枕元でつけた手帳とペンもその佇まいが愛おしく
1日1枚どころではなくなり写ルンですが足りずLC-Aも動員した。
「表現」を辞書で引くと『内面的・主観的なものを外面的・感性的にとらえられる手段。
形式によって伝達しようとすること』(新明解国語辞典)とあった。
楽しいと思う心、発見した光と影、愛おしいと感じる道具たち。
撮る行為はたしかに記録だ。だが、撮る瞬間を選ぶこと、
これを見て欲しいと願うこと、そうした人の意識が込められた時、
それは単なる「記録」から「表現」になるのではないだろうか。
大切なのは自分の選んだ瞬間と愛おしいと感じる心を信じること。
5ヶ月の講座を終え、修了展に向けて準備をしてきた中で、私は今、胸を張ってそう言える。
2017年1月 さかいまみ
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